インターンシップはいつから始めるべきか、迷っている学生も多いでしょう。
本記事では、短期・長期インターンシップの特徴、最適な開始時期、申し込みから参加までのフロー、そして長期インターンシップのメリットを詳しく解説します。
そもそもインターンシップは2つに分かれる
インターンシップは、主に大学生が仕事を体験することを指します。
ただ、同じインターンシップといっても、企業や募集によっても大きく内容が変わるので注意が必要。
インターンシップには、大きく分けて短期インターンシップと長期インターンシップの2種類があります。
それぞれの特徴を以下の表で比較してみましょう。
比較項目 | 短期インターン | 長期インターン |
---|---|---|
期間 | 1日〜2週間程度 | 3ヶ月以上 |
主な目的 | 企業の雰囲気や一部業務の体験 | 実践的なスキル習得と深い業界理解 |
参加のしやすさ | 企業による | やや難しい |
実施時期 | 主に夏季・春季休暇中 | 学期中も含む |
学業との両立 | 容易 | 時間管理能力が必要 |
企業・業界の数 | 複数社参加が可能 | 少数社に絞られがち |
採用との関連性 | 弱い | 強い場合がある |
得られる経験の深さ | 浅め | 深い |
内容 | 会社説明、グループワーク 簡単な業務体験など | 実際の業務への参加 プロジェクト遂行など |
短期インターンシップ
短期インターンシップは、通常1日から2週間程度の期間のものがほとんど。
企業の雰囲気や業務内容を体験することが主な目的です。参加のハードルが低く、複数の企業や業界を体験できるため、就職活動として企業や業界を比較検討したい学生なら必須で参加すべきものと言えます。
夏季休暇や春季休暇に集中して行われることが多いので、スケジュール的に参加しやすいのも特徴です。
業界研究や自己分析のきっかけとして有効で、就活の第一歩として位置付けられています。
長期インターンシップ
長期インターンシップは3ヶ月から半年、場合によっては1年以上続くプログラムです。
実際に業務に1メンバーとして参加するので、より深く企業や仕事を理解できます。専門的なスキルを身につける機会も多く、就職の選考でも話しやすい経験といえます。
ただし、時間的な拘束が大きいため、学業との両立が難しいのはデメリットといえるでしょう。本気で特定の企業や業界に興味があったり、仕事を通じていち早く自分を成長させたい学生におすすめです。
インターンシップはいつ始めるべき?何年生がベスト?
インターンシップの開始時期は、短期と長期で異なります。
学年ごとの特徴を踏まえて、最適なタイミングを見極めることが重要です。
学年別に見ていきましょう。
短期インターンシップ
短期インターンシップのベストな開始時期は2年生後半から3年生です。
短期インターンシップは、大学1年生から参加可能です。
ただし、多くの企業が主に3年生をターゲットにしています。1、2年生のうちに参加すると、早い段階で就活への意識が高まり、自己分析や業界研究を始められます。
3年生の夏休みから秋にかけては、多くの企業がインターンシップを実施するため、本格的な就職活動を見据えた参加が増え、具体的な職種や業界を絞り込むのに役立つでしょう。4年生は就活と重なるため、短期インターンよりも本選考に注力する時期です。
1年生
- 基本は1年生は参加の必要なし
- 参加する場合はプログラムを探してみる
早期からの参加は可能ですが、2年生以降がおすすめです。1年生は無理して参加する必要はないでしょう。
ただし、どうしても興味がある企業や業界がある場合は学年問わず参加できるプログラムに応募するのがおすすめです。
2年生
- 早めに参加したいなら2年生から
- 幅広い業界を体験したいなら早めがおすすめ
参加し始める学生もいますが、まだ少数派です。就職活動を意識し始める頃で、様々な業界や企業を知るきっかけになります。夏休みや春休みを利用して複数の企業のインターンシップに参加することで、自己分析や業界研究にも役立つでしょう。
3年生
- 短期インターン本番
- 志望業界の絞り込みに効果的
就職活動が本格化する直前の重要な時期です。このタイミングが短期インターンシップ開始の理想的な時期でしょう
この時期の短期インターンシップは、企業の選考に直結することもあるため、より慎重に選んで参加することが重要です。夏休みから秋・冬にかけて積極的に参加することで、就活本番への準備が整います。
長期インターンシップ
長期インターンシップのベストな開始時期は1、2年生です。
長期インターンシップは、主に1〜3年生を対象としています。大学生は3年生の夏頃から4年生にかけて就活で忙しくなります。
この時期は、就職活動とかぶってしまうので、その前の学年の学生を採用したい学生が多いといえるでしょう。
ただし、授業も多い1年生・2年生は学業との両立が難しく、忙しい学部や理系学生はなかなか挑戦しづらいケースも多いようです。
1、2年生
- 本格的に長期インターンするなら1、2年生
- 取り組み方次第で、就活時点で大きな差がつく
長期インターンをしたいと考えているなら、1、2年生が最もおすすめの学年。
3、4年生になると就活やゼミや卒論で忙しくなることがわかっているので、その前に長期インターンをした方がより多くの時間を投資できるからです。
1年生から長期インターンに参加し、3年になるころには10名以上のチームを束ねるリーダー、といったように学生の枠を超えて活躍するようになるケースも多く、学生ながらに社会人レベルの能力が身に付けられるのが大きなメリットでしょう。
当然就活でも、その経験や視点は生きるので、面接でのガクチカとしてはもちろん、企業選びに至るまで、長期インターンの経験は役に立つでしょう。
3年生~4年生
- インターン先で内定をもらえるケースも
- 授業が忙しくない3年生におすすめ
- 就活後で時間がある4年生にもおすすめ
基本的には3、4年生は就活、ゼミ、卒論などがあるので長期インターンに参加するにはやや余裕がないのが現実ですよね。
ただ、人によってはすでに授業がほぼ取り終わっていたり、サークル活動やゼミも忙しくなかったりと、3、4年生でも十分参加可能な長期インターンもあるでしょう。
将来就職したい業界や興味がある職種により近い企業でのインターンを選ぶと、就活にも就職後の仕事にも活きてくるはずです。
短期インターンシップの開始・参加時期はこのタイミング
短期インターンシップの開始・参加時期は、学生生活のさまざまなタイミングで設定されています。
最も効果的に参加するためには、自分の状況と企業の開催時期を考慮することが大切です。
それぞれの状況や目標によって異なるため、以下の表を参考に最適な時期を選びましょう。
時期 | 主な対象学年 | 特徴 | おすすめの理由 |
---|---|---|---|
夏季休暇中 (8月〜9月) | 2年生、3年生 | ・多くの企業が開催 ・1日〜1週間程度のプログラムが多い | ・時間的余裕がある ・複数企業の参加が可能 ・業界研究に最適 |
冬季休暇中 (12月〜1月) | 3年生 | ・より実践的な内容が多い ・選考につながる可能性あり | ・就活本番前の重要な経験 ・夏の経験を踏まえて参加可能 |
春季休暇中 (2月〜3月) | 3年生 | ・就活本番に近い形式が多い ・選考直結型も増加 | ・最後の大型インターンシップ ・志望業界・企業の絞り込みに有効 |
学期中の週末 (通年) | 1〜3年生 | ・1日程度の短いプログラムが中心 ・学業との両立が可能 | ・継続的な参加が可能 ・早期からの業界理解に有効 |
参加時期の選び方
- 学年と就活スケジュールを考慮する
- 1年生:大学生活に慣れることを優先し、興味がある場合のみ参加
- 2年生:夏休みから積極的に参加し、始める良いタイミング
- 3年生:就活を見据えて計画的に参加することが重要
- 学業との両立を図る
- 試験期間や重要な課題提出時期を避ける
- 学期中の参加は授業の出席に影響しないか確認する
- 志望度に応じて優先順位をつける
- 興味のある業界や企業のインターンシップを優先的に選ぶ
- 志望度が高い企業は、可能であれば複数回参加を検討する
- 経験の積み重ねを意識する
- 初回は幅広い業界のインターンシップに参加し、視野を広げる
- 2回目以降は、より深く知りたい企業や業界に絞って参加する
- インターンシップの種類や内容を確認する
- 見学型、体験型、課題解決型など、目的に合ったものを選ぶ
- 事前課題の有無や難易度を確認し、十分な準備時間を確保する
- 自己分析や業界研究の進捗状況と合わせる
- 自己分析が進んでいない段階では、幅広い業界の体験を優先
- 志望業界が絞れてきたら、その業界に特化したインターンシップを選ぶ
これらのポイントを考慮しながら、自分にとって最適な参加時期を選びましょう。計画的に参加することで、就職活動に向けて着実に準備を進めることができます。
短期インターンシップの申し込み時期
短期インターンシップへの参加を成功させるには、適切なタイミングでの申し込みが重要です。
以下、申し込み時期について詳しく説明します。
一般的な申し込み時期早見表を用意しました。
ただし、これはあくまで目安です。企業によって異なる場合があるため、必ず各企業の公式サイトやインターンシップ情報サイトで確認しましょう。
開催時期 | 申し込み開始時期 | 申し込み締め切り | 注意点 |
---|---|---|---|
夏季(8月〜9月) | 5月中旬〜6月上旬 | 7月上旬〜中旬 | ・人気企業は早めに締め切る ・GW明けから情報収集を始める |
秋季(10月〜11月) | 8月上旬〜中旬 | 9月中旬〜下旬 | ・夏季インターン中に案内されることも |
冬季(12月〜2月) | 10月中旬〜11月上旬 | 11月中旬〜下旬 | ・年末年始を挟むため要注意 |
春季(3月) | 1月上旬〜中旬 | 2月上旬〜中旬 | ・就活開始と重なるため計画的に |
早めの申し込みが重要な理由
- 人気企業は早期に締め切る
人気の高い企業や業界のインターンシップは、募集開始から数日で締め切られることもあります。希望する企業のプログラムに参加するためには、早めの行動が欠かせません。 - 選考プロセスの存在
多くの短期インターンシップでは、エントリーシートの提出や面接などの選考プロセスがあります。これらの準備や実施に時間がかかるため、余裕を持って申し込むことが大切です。 - 準備期間の確保
インターンシップによっては、事前課題や準備が必要な場合があります。早めに申し込むことで、十分な準備時間を確保できます。
申し込み時の注意点
- 複数の企業に申し込む
競争率の高いインターンシップもあるため、第二、第三の選択肢を用意しておくことをおすすめします。 - スケジュール管理
複数のインターンシップに申し込む場合、日程が重複しないよう注意しましょう。 - 情報収集を怠らない
企業のホームページや就活サイト、大学のキャリアセンターなどを定期的にチェックし、最新の情報を入手しましょう。 - 応募書類の準備
エントリーシートや履歴書などの応募書類は、事前に準備しておくと良いでしょう。基本情報や自己PRなどは、使い回しができる部分もあります。 - 締め切りに注意
人気企業は募集定員に達し次第締め切ることがあります。
短期インターンシップへの申し込みは、就活準備の重要な一歩です。
実際の就職活動よりも早い時期に始まります。計画的に情報収集を行い、興味のある企業や業界のインターンシップに漏れなく応募できるよう準備し、貴重な機会を逃さないようにしましょう。
短期インターンシップ参加までのフロー
短期インターンシップに参加するまでの流れを、以下の5つの段階に分けて詳しく解説します。
①情報収集と企業研究
参加したい企業や業界のインターンシップ情報を集めます。
- 企業の公式ウェブサイト
- 就活支援サイト(リクナビ、マイナビなど)
- 大学のキャリアセンター
これらを活用しましょう。同時に、企業の事業内容や理念、業界での位置づけを調査します。
OB・OG訪問や企業説明会にも積極的に参加し、生の声を聞くことが重要です。
②エントリーと書類提出
興味のある企業が見つかったら、エントリーします。多くの場合、オンラインでのエントリーフォーム記入やエントリーシート、履歴書の提出が必要です。志望動機や自己PRを具体的に記載し、企業が求める人材像と自身の強みを結びつけることがポイントです。提出前に必ず誤字脱字のチェックや形式面の確認を行いましょう。
③選考プロセス
エントリー後は選考が始まります。一般的に、書類選考、Webテスト(適性検査)、面接などがあります。面接では志望動機や自己PRを簡潔に伝える練習をしておくと良いでしょう。オンライン面接の場合は、通信環境や背景にも注意が必要です。
④事前準備
選考通過後は、インターンシップ本番に向けて準備を進めます。事前課題がある場合は真剣に取り組み、業界や企業についての詳細な調査も行います。ビジネスマナーの確認や当日のスケジュール、持ち物のチェックも忘れずに。また、会場までの経路と所要時間を確認し、余裕を持った行動計画を立てましょう。
⑤インターンシップ参加
当日は時間に余裕を持って会場に到着し、積極的に課題に取り組みましょう。社員や他の参加者との交流も大切にし、多くの情報を得るよう心がけ、プログラムの内容はしっかりとメモを取り、後で振り返れるようにすると就職活動に生かすことができます。
これらの5つのステップを意識して行動することで、短期インターンシップをより効果的に活用し、将来のキャリアにつなげましょう。
インターンシップ後は、学んだことや感じたことを整理し、今後の就活にどう活かすか考察することが重要です。
短期インターンに受かるなら長期インターンがおすすめな理由
長期インターンシップは、短期に比べて時間と労力がかかりますが、得られるものも大きいです。
短期インターンの選考を有利に進めたい場合も、長期インターンでの経験は役に立つこと間違いなし。
自分のスケジュールと照らし合わせ、無理のない範囲で参加を検討しましょう。長期インターンシップでの経験は、就職活動はもちろん、その後のキャリア形成にも大きく貢献するはずです。
①わかりやすく志望度を示せる
長期インターンシップへの参加は、その業界・職種への強い志望度を明確に示すことができます。
- 期間の長さが本気度を証明
- 業務により深く関わることで、企業への理解が深まる
長期間にわたって業務に携わることで、企業文化や仕事の本質をより深く理解できます。これは、短期インターンの選考だけでなく、その後の就職活動で大きなアドバンテージとなります。
②希望する業界で先に経験を積んでおける
長期インターンシップは、実際の業務により近い経験を積むことができます。
- プロジェクトの一端を担う機会が多い
- 実践的なスキルを身につけられる
- 業界特有の知識やノウハウを習得できる
そのため、入社後も同期と比べて大きな成果を、はやくあげられる可能性があるでしょう。
③受けるべき会社の選球眼もよくなる
長期インターンシップを経験することで、そもそも仕事や企業への解像度が高まり、企業を見る目が養われます。
- 複数の部署や役職の人と関わることで、組織の全体像が把握できる
- 業界や職種の特性を肌で感じ取ることができる
- 自分に合う環境かどうかを判断する材料が増える
これにより、就職活動時に自分に合った企業を見極める力が身につきます。ミスマッチによる早期離職のリスクも減らせるでしょう。